X-T5の良いところ悪いところ
前回の記事どおり、僕は予定外にX-T5を購入した。
使い始めて1週間経過し「さすがセミフラグシップ機、コンシューマ向けのカメラとは違うなってかゆいところに手が届くな」という感想を持った。
その一方ちょっとしたことで「ん?」と思うこともあり爪の甘さも感じた。
そこで今回はカメラ雑誌やWebのレビューに書かれていないX-T5の小さな良い点と悪い点について書きたいと思う。
尚、僕はマニュアルフォーカスレンズ(以下MFレンズ)しか持っていないので、MFレンズ装着時の使い勝手に限定した意見である事を了解願いたい。
【この記事はこんな人にオススメ】
- X-T5の購入を検討している方
- セミフラグシップとコンシューマ向けカメラの差が知りたい方
使い勝手が良いところ
ではまず使い勝手が良いところを紹介しよう。
良いところは沢山あるので、僕が特に「気が利いてるな」と感じた3つの機能を紹介したいと思う。
液晶ビューファインダーのモード
ここでは液晶ビューファインダーのモードの話で背面モニターのモードは対象外だ。
X-E4の液晶ビューファインダーの表示は2種類
- 映像+設定情報表示
- 映像+「設定情報非表示
しかしX-T5は3種類
- 映像+映像の枠内に設定情報を表示する
- 映像+映像の枠外に設定情報を表示する
- フレーミング用(画面大)+ピント合わせ用(画面小)+設定情報表示
MFレンズしか持っていない僕は2画面モードがお気に入り。
- ファインダーを覗く
- 右側にある画面でピントを合わせる
- 視線を左にずらす
- 左側にある画面でフレーミングをする
- シャッターを切る
この流れで撮影をすることが出来るのでとても使い勝手が良い。
X-E4、X-T5共にレンズのフォーカスリングを動かすと任意のポイントを拡大表示してくれるフォーカスチェックという機能があるが、これは僕はあまり好きではない。
フレーミング中にちょっとフォーカスリングを触っただけで拡大表示されてしまうので使い難いからだ(特にテーブルフォトを撮影している時)
ただAFレンズを使う場合はフレーミング用の画面が小さいので別のモードを使った方が良いだろう。
フォーカスレバーの操作
フォーカスレバー操作時の役割は微妙に違う。
X-E4の場合
【上下左右に倒した時の動作】
フォーカスチェック(拡大表示)のポイント選択
【真上から押す】
フォーカスチェックポイント決定
X-T5の場合
【上下左右に倒した時の動作】
フォーカスチェック(拡大表示)のポイント選択
【真上から押す】
フォーカスチェックポイントをセンターに戻す
※ちなみにフォーカスポイントの決定は、シャッター半押し等その他の動作で決定する。
これはあくまでも標準の設定
設定画面で動作を変えることが出来るが、X-E4にはフォーカスチェックポイントをセンターに持ってくる設定項目が無いのだ。
X-E4を使っているとフォーカスチェックポイントをセンターに戻すのが地味にストレスなので、とてもありがたい機能だ。
X-E4もファームアップでこの機能を追加して欲しい。
静かなシャッター音
これは僕の勝手な思い込みなのだが、サブフラッグシップともなると大きめで小気味の良いシャッター音がすると思っていた。
何を想像していたかというと、X-T5は大きく気持ちの良いシャッター音に写欲を刺激されて次々とシャッターを切りたくなるサウンドだと思っていたのた。
しかし実際のX-T5のシャッター音はとても小さな音だった。
僕が使用経験のあるFUJIFILM製のカメラでいったら音の大きさは「X-E4>X-S10>X-T5」こんな感じだ。
だからといって写欲が湧かないつまらない音かというとそんなことはない。
僕に語彙力が無いので正確な表現は出来ないけど擬音語だったら「カシュッ!」って感じでとても上品な音がする。
充分写欲を湧き立てられる小気味の良い音だ。
これは恐らくシャッター音が出しにくい場所でも撮影者にはちゃんと聞こえる様な音にチューニングしてあるのだろう。
音が絶対出せない場所では電子シャッターを使い無音に、ある程度許される場所では撮影者を鼓舞するようなシャッターサウンドを聴かせるといったFUJIFILMの演出なのだろうと予想した。
使い勝手が悪いところ
FUJIFILM製カメラは気の利いた機能があってとても使いやすいが、どこか爪が甘いという印象を持っている。
X-T5もその例に漏れず、細かなことではあるが若干のポンコツさを感じるところがある。
色々あるのだが取り敢えず僕が気になる4つの使い勝手が悪いところを紹介しよう。
ただもしかしたら、僕自身が知らないだけで設定項目があるかもしれないが、もしそうだったらFUJIFILMさんごめんなさい。
Fn1ボタンが押しにくい
シャッターボタンの右斜め後方にあるのがFn1ボタン。
X-E4はボディの水平面に対して凸の出代が目測で0.6〜0.8mmあるので押しやすい。
でもX-T5は目測で0.2〜0.3mmしか無いので非常に押し難いのだ。
恐らく誤って押さないように出代を小さくしているのだと思うが、ちょっと小さ過ぎると思う。
クロップ撮影の時にピーキング表示が出ない
X-T5は高解像度になったことで、1.4倍と2.0倍のクロップ撮影が可能になった。
これはとてもありがたい機能なのだが、クロップ撮影にするとファインダー表示からピントの合っているところに色付けしてくれるピーキング表示が消えてしまうのだ。
ピント確認をするためのフォーカスチェック表示の場合は消えないのだから技術的には可能だと思うが?
設定ボタンを押した時の最初の画面
X-S10もX-E4も設定ボタンを押すとまずマイメニューが表示される。
マイメニューとはよく使う設定項目をすぐに出せるよう登録する一覧表のようなものだ。
だから設定ボタンを押したら最初にマイメニューが出てこないと使い勝手が悪い。
何故なら他でもないFUJIFILMからX-S10とX-E4を使うことでそう躾けられてきたのだ。
しかしX-T5では「直前で設定した項目が最初に出てくる」ようになっている。
だから脳は「設定ボタンを押す→マイメニューが表示される」となっているので、一瞬フリーズしてしまうのだ。
X-T5を使うプロ、セミプロとしては直前で設定した項目がすぐに出てきた方が使いやすいのかもしれない。
これがセミフラッグシップとコンシューマー向けとの違いと言えばそれまでだが、だとしたら設定画面に設定ボタンを押した時の最初の画面を選択出来るように項目を加えて欲しい。
カスタム名登録時の削除キーの動作が違う
これはカスタム名を登録・変更する際、文字を削除する時の動作がX-S10,X-E4はdeleteキー、でもX-T5はback spaceキーという意味だ。
この動作を2種類用意する意味が全く分からない。
撮影には全く関係ないが、FUJIFILMの設計の爪の甘さを感じる典型的な例だと思う。
まとめ
X-T5の色々使い勝手が悪いところを書いたが、それを差し引いてもさすがセミフラグシップと呼べる良い機種だと思う。
願うべきは上で書いた事はFn1のボタン高さ以外はファームアップで解決出来る事なので何とかしてもらいたい。
まぁこんな弱小ブログの声はFUJIFILMには届かないとは思うが…