マウントアダプタに手を出す
前にこんな記事を書いたばかりなのに、新たなレンズを入手してしまっ
た。
といっても新たに購入したのではなく、元々持っていたレンズをXシステムに入れたというのが正解だ。
結論を言うとK&F Conceptのマウントアダプタを購入し、それを使ってCanon FD50mm F2.0をX-S10やX-E4で使えるようにしたのだ。
【この記事はこんな人にオススメ】
- マウントアダプタの使い勝手が知りたい人
- マウントアダプタ経由の描写が知りたい人
- マウントアダプタの使用はアリなのかを知りたい人
マウントアダプタを購入しようと思った理由
以前の記事で「レンズはいまあるもので充分」と言っておきながら、マウントアダプタ経由でFD50mm F2.0を装着して使おうと思った理由は2つある。
Saul Leiterの作品を真似したくなった
最近、著名な写真家Saul Leiterの作品に注目している。
Chat GPT君にSaul Leiterがどんな人かを聞くとこんな答えが返ってきます。
彼は1923年に生まれ、2013年に亡くなりました。
彼の作品は都市の風景や日常のシーンに焦点を当て、抽象的で印象的なカラーパレットを使用しています。
Leiterは写真において独自の視点とスタイルを持ち、その芸術的なアプローチは後の世代の写真家に影響を与えました。
僕は彼の作品に惹かれて同じような写真を撮ってみたくなった。
そこで彼が使っているカメラやレンズを調べたところ、カメラはLeica M4他複数のものを使用、レンズは75〜135mmの中望遠を使っていると分かった。
残念ながら私は中望遠レンズを持っていないので、新たに購入しなければならない。
最初はVoigtlander製 NOKTON 50mm F1.2の購入を検討しましたが、約10万円もするために躊躇した。
そこで思いついたのが、以前から持っているCanon FD50mm F2.0にマウントアダプタを付ければ35mm換算で75mmになる。
マウントアダプタなら4千円ぐらいで買えるからそれで75mmの使い勝手を体験し、使えるようだったらNOKTON 50mm F1.2を購入しようと考えたのだ。
FD50mm F2.0を活かしたい
FD50mm F2.0は親父が40年まえに購入したCanon AV-1に付属していたレンズだ。
このレンズは単品販売されておらず、セット販売ではなく付属していたもので、ある意味希少なレンズ。
しかし描写はというと付属レンズなのであまり性能は期待出来ない。
Webで数少ないレビューを見つけたが「やわらかい写り」ぐらいしか情報は無かった。
何故このレンズを活かしたいと思ったかと言うと、我が家ではCanon AV-1+ FD50mm F2.0は不遇の扱いだったからだ。
うちの親父は「目的のための道具を買ったら満足し、そこで終わってしまう人」なのでこのカメラとレンズはほとんど使われていなかった。
時は40年経ち、さらなる不幸が訪れた。
僕は不謹慎だが「親父没後、これを形見としてもらおう」と考えていたのに、知らぬ間に兄にメルカリで売りに出されていた。
しかし結局売れず、ある日突然兄から「オマエ カメラ好きだろ?これ売ろうと思ったけど売れなかったからあげるわ」と言われ、僕の手元に転がり込んできたかわいそうなカメラ+レンズなのである。
しかしすでにフィルム代,現像代共に高価になり本来のフィルムカメラとして使うにはハードルが高かったので、テーブルフォト用のモデルとしてしか使われていなかった。
だがせめてレンズだけでも使ってあげたいと思っていたので、マウントアダプタで活用しようと前々から考えていたのだ。
K&F Conceptのマウントアダプタの使い勝手と描写
本品はAmazonで20%offの時に4,000円で購入した。
評価が高かったので心配はしていなかったが、届いたモノも悪いモノではなかった。
でも使い方の説明書が入ってないのはどうかと思う。
事実 装着の方法は分かるが、絞り操作を効かせる方法は迷った。
OPENでレンズを取り付け→その後LOCKをすることで絞り操作が出来るようになったのだが、こんな簡単なことでも説明書があると無いとでは違うからね。
使い勝手
装着具合は全く問題なく非常に精度良く加工が出来ていると思う。
純正レンズをカメラに取り付ける時と同じトルク感だったのでその点は安心した。
装着後はカメラの設定が必要。
電子接点が無いので純正レンズやVoigtlander製レンズとは違い、いままでこれらのレンズで設定していたことはすべてデフォルト設定になっている。
例えばフォーカスモードは、いままで「マニュアルレンズ」で設定していたが「AF-S」になっていたし、ピント合わせを「ピーキング黄色(強)」にしていたが「ノーマル」に戻っていた。
TTArtisan 25mm F2.0を装着した時もそうだったが、電子接点に対応していないレンズと同じなので、こういった点は仕方がないだろう。
描写
描写についてはまだ1度しか使っていないので、あくまでもファーストインプレッションということで評価をさせてもらう。
まず開放F2.0は解像感はイマイチだけど決して悪くはない。
フィルムシミュレーションをClassic ChromeやClassic Negaとかにするととても良い雰囲気で描写をする。
これは解像していないゆえにデジタル臭さが無くフィルムに近い描写をするからだと思う。
グレイン・エフェクトを粒子(大)・効果(強)にするとより雰囲気が出るだろう。
そして絞りを1段絞ってF2.8まですると結構解像してくれる。
美味しいところはF4〜F8といったところかな?
間違いなく言えることは、マウントアダプタ経由だからといって画質が悪くなるということは全く感じられなかった。
FD50mm F2.0は40年前の中途半端なオールドレンズだが、マウントアダプタを介して普通に使えることにちょっと感動してしまった。
まとめ
さて困ったことになった。
上記のとおりFD50mm F2.0+マウントアダプタで35mm換算75mmの体験をし使えそうだったらNOKTON 50mm F1.2を買おうと思っていた。
しかしこの組み合わせが思っていた以上に使い勝手が良く、描写も個性的なので「これで良いかも?」と思うようになってしまった。
もう1〜2ヶ月この組み合わせで使ってみて、懐に余裕があったらNOKTON 50mm F1.2の購入は考えよう。
ちなみに換算75mmについて少し語らせてもらうと、とても新鮮な気持ちでスナップ撮影を行うことが出来た。
つい癖で換算35mmや50mmの距離でワーキングディスタンスを取ると「デカッ!」となるし「わっ、これ以上後ろに下がれない」ってことが度々あったが、逆に遠いところを切り取ることが楽しくてついつい夢中になってしまった。
今後Saul Leiterのような写真が撮れるか分からないけど、換算75mmレンズでのスナップ撮影は楽しめそうな予感がした。
では最後にFD50mm F2.0+マウントアダプタで撮った絞りによる違いが分かる作例を載せて終わりたいと思う。
絞り F8
絞り F2.8
絞り 開放F2.0