Ultron 27mm F2.0の描写が気になる
「Voigtlander製のXマウントレンズ Ultron 27mm F2.0の描写が気になる。パンケーキレンズだから描写はイマイチなのかな?実際に使った人の感想が聞きたい」
こういった疑問に答えます。
本日取り上げるUltron 27mm F2.0の描写を知ることで、あなたの背中を押すことになるかもしれません。
この記事を書いている私は、過去に多種多様のカメラ数十台を使ってきました。
デジタルカメラだけでなくフィルムカメラも10台以上使った経験があります。
最初の印象
先回のエントリーを書き終えた時には「Ultron 27mm F2.0の描写はこんな感じ」という印象が頭の中にありました。
しかし忙しくて2週間ほど記事を書くことが出来ず、でもそれが幸いでした。
というのもその後 Ultron 27mm F2.0を使い続けて、徐々に最初に感じた印象が変わってきたのです。
最初の印象はこんな感じです。
- 線が太く私の好みの描写では無い
- ピントが合っているところはシャープ
- でも暗所になるとボケが崩れた感じできれいではない
- 他Voigtlander製レンズは明るさに関係なくボケが徐々に滲んできれい
- フィルムで撮ったような描写
- フレア&ゴーストはやや出やすい
特に気になったのは3のボケ味です。 私には語彙力が無いので、自分が感じたことを言葉で表現するのが難しいのですが…
「Ultron 27mm F2.0はボケていく箇所のドットが不規則で不均一に消えていく感じ」
「他のVoigtlander製レンズはボケていく箇所のドットが規則的に均一に消えていく感じ」
分かるでしょうか?
一言で言うと「ボケがきれいではない」になります。
ただ実はこれはたった1回だけテスト撮影をして感じた印象で、しかも撮影条件は決して良好とは言えませんでした。
- 撮影したのは、日が沈みかけの夕方
- カフェの店内で暗かった
- 保護フィルターに若干指紋が付着していた(影響は少ないと思うが)
撮影を重ねてからの印象
その後、晴れた昼中に街のスナップ,明るいカフェの店内,自宅室内でテーブルフォトと撮影を重ねていきました。
撮影を重ねた後の印象はこんな感じです。
- 線が太いと思っていたが、ピントがきているところは線が細い描写だった
- よって絞ると全体が線の細い描写になる
- 明るい場所でもボケの崩れはあるが、ボケが汚いとまでは言わない
- フィルムで撮ったような絵になるので、これはレンズの味として捉えた方が良いかも?
- フレア&ゴーストはやや出やすい
このように印象がガラッと変わりました。
作例
それではUltron 27mm F2.0で撮影した作例をお見せします。
Webの写真でディテールがどれだけ伝わるか分かりませんが参考にして下さい。
いまからお見せする写真の撮影&編集条件は以下のとおりです。
- カメラはX-E4、もしくはX-S10を使いRAWで撮影
- 4枚目のテーブルフォト以外はすべて開放F2.0で撮影
- Macに取り込みX RAW StudioでJpeg書き出し
- Affinity Photoでインスタ用の5:4にトリミング→画像サイズダウン→アンシャープマスクをかけた
この写真が最初の印象を決定付けた像が崩れた写真
手前のシュガーポットはシャープだが、奥の窓周辺はフレアがかかり像が若干崩れている。
手前や上部のフレームといったシャドーになっている部分は像が崩れている。
ピンが奥のマカロンにきてしまっていますが、硬すぎずシャープな描写だと思う。
どことなくリバーサルフィルムで撮ったような写真に見えません?(色は関係ないですが)
まとめ
現時点でのUltron 27mm F2.0の印象は「光量が充分ある時はやはりVoigtlanderのレンズらしくシャープで線の細い描写、でも光量が少ないときはオールドレンズっぽく写る2面性がある」ということになります。
正直最初にテスト撮影をした時は「失敗した!これは早めに売るレンズだな」と思いましたが、いまは「軽量コンパクトで扱いやすく描写も悪くない」と感じ、X-E4の常用レンズのポジションに収まりつつあります。
さらにはX-E4に装着したフォルムがちょっと大きめのコンパクトカメラのようで、カバンへの収まりが良いのでエブリディカメラの地位も確立しつつあります。