再びGRを使いたい病発症
ハイアマチュアカメラマンやプロカメラマンに絶大な支持を得ているRICHO GRシリーズ。
実は私も旧GRユーザーなのです。
いままでにGR1v×2台,GR21,GR Digital,初代(APS-C)GRと使ってきました。
特に初代GRの時は、それのみで他のカメラを使っていない時期があったぐらいです。
気に入っていたのは雑誌やWebでGRのサブ製品名とさえ思える「軽量コンパクトで一眼レフカメラ並の画質」に尽きます。
ポケットにGRを忍び込ませ、良い被写体やシーンに遭遇したらサッと撮って再びポケとに収納するという作法で、自分自身が気に入る写真をたくさん撮ってくれました。
でも私の中で写真ブームが過ぎ去ると、ヤフオクの商品写真専用機になってしまい、ついにはその役目すらiPhoneに譲り、完全にカメラとは決別した日々を送るようになっていました。
そこから数年経ち2022年の7月に私の中で写真ブームが再び到来、その時からつい最近まで「再びGRを使いたい病」が発症してしまったのです。
この1年悶々とした日々を送っていましたが、それがついに先日ほぼ完治しました。
といってもGRシリーズを購入したのではありません。
頭の中で納得したと言いますか… 今日はそのことについてお話をしたいと思います。
【この記事はこんな人にオススメ】
- RICHO GR3/GR3xの購入をためらっている人
- 撮影だけでなくカメラ操作も楽しみたい人
- コンパクトカメラを購入するにあたり頭を整理したい人
私がGRシリーズを再び買わなかった理由
この1年間は物欲と理性の戦いでした。
焦点距離28mmのGR3だけだったら以外とすんなり買わないという結論に達していたと思います。
というのも私は焦点距離28mmの画角が苦手だったのです。
歴代のGRを使っている時も「焦点距離35~50mmのGRが出ないかな?」とずっと願っていました。
GRにはクロップ機能があったのでそれを使えば実現出来たのですが、それは正当な使い方ではありませんからね。
でもRICHOは私の心を大きく揺さぶりをかけてきました。
焦点距離40mmのGR3xを発売したのです。
GR3xは私が求めていた焦点距離にドンピシャ!これには私も参りました。
何度もWebでポチる直前までいきましたが、寸前のところで思いとどまりました。
理由はこんなところです。
- 歴代GRのせいでGRシリーズのAFを信用していなかった。
- 私はファインダーを覗いて写真が撮りたかった
- 私はマニュアルカメラの操作がしたかった
- 官能的な感触を楽しみたかった
GRのAFを信用していない
これは「AFのピント精度が低い」,「AFが迷う」ということではありません。
2つの実績からGRシリーズはAFが故障しやすいという思いが確立してしまったのです。
GR1vの時はシャッター半押しでピントが合焦するはずなのにピントが合わずピンボケ写真を量産、初代GRとの時も同じく半押しでピントが合わず使い物になりませんでした。
特に初代GRの時はタイ旅行中で、思い出を残すことが出来ずがっかり…
そのためにRICHOの品質に不信感を抱きGRシリーズを再び購入するのを躊躇したのです。
ファインダーを覗いて撮りたい
デジタル時代のGRシリーズには光学ファインダーが無く背面液晶を使って撮影を行います。
でも私はあのカメラを体から離し背面液晶を見てシャッターを押すスタイルがどうしても嫌なのです。
よって私はデジタル時代のGRを使う際は、アクセサリーシューに外付けファインダーを取り付けてファインダーを覗いて撮影を行っていました。
でもそのスタイルってGRらしさをかなりスポイルします。
パララックスが発生し正確なフレーミングは出来ないし、ポケットに入れにくくもなりますからね。
マニュアルカメラの操作がしたい
GRでもマニュアル撮影は出来ます。
でも私が言うマニュアル操作とは、例えば「レンズ側で絞りリングとフォーカスリングを操作する」といった、カメラを自分のコントロール下に置いて操作をするということです。
スナップシューターのカメラとしては、GRは「被写体にレンズを向けAFで瞬時にピントを合わせシャッターを切る」この方が良いに決まっています。
確実にその瞬間を切り取ることが出来るからです。
でもGRは操作の大半をカメラ任せにしてしまい撮影をする楽しみが希薄なのです。
私は例え決定的なシーンを取り逃してもカメラの操作を楽しみたい、だから私にとってGRはワクワク出来る商品ではなのです。
何故私がそう思うかは明確な理由があります。
私はプロカメラマンのように写真でお金を稼いでおらず、単なる趣味だからです。
写真でお金を稼いでいる人にとっては撮影の楽しみよりも、いかに手間をかけずに高品質な写真を生み出すかが大切です。
でも私のようにお金を稼がず趣味として楽しんでいる人の中には「写真の出来映えも大切、でもそれ以上にその写真を撮るプロセスがいかに楽しいかの方が重要」という人もいるのです。
官能的な感触を楽しみたい
具体的にはこんなところです。
- 絞りリングを回した時のコクコクした感触
- ピントリングを回した時のヌルっとした感触
- シャッターを押した時のガシャッという音と振動
GRにはこのような官能的な感触がありません。
そのために「自分が撮っている感」が希薄なのです。
これは上記「マニュアルカメラの操作がしたい」と同じ考えですね。
X-E4+Ultron 27mm F2.0が私のGR3x
以前の記事のとおり私は
Voigtlander Ultron 27mm F2.0(フルサイズ換算40mm)を購入しました。
X-E4に装着するとそのコンパクトな組み合わせと個性がある描写に魅入られました。
そこで私は気がついたのです。
X-E4+Ultron 27mm F2.0って理想のGR3xに近いよね?
そうなのです。
この組み合わせは、私が思い描いていた理想のGR3xにかなり近いのです。
違いはこうです。
- 重量も体積も本物のGR3xには敵わない
- 速写性能も大幅に落ちるだろう
- 画質もGR3xの方が良いかもしれない
- でもその代わりにファインダーを覗いて撮影が出来る
- 官能的なマニュアル操作を楽しむことも出来る
- GRシリーズの信用の低いAFに危惧する必要が無い
X-E4+Ultron 27mm F2.0の組み合わせではジーンズのポケットにスッと忍ばせておくといった芸当は出来ません。
でも私は普段からショルダーバッグを肩にかけて出歩くので、似たような運用は可能です。
スナップ撮影時は、ストラップでカメラをたすき掛けすればもっと速写性の高い運用をすることだって可能なのです。
これに気がついた私は「再びGRを使いたい病」をほぼ完治することが出来ました。
まとめ
長々と文章を書きましたが、ようは「GR3xを買わなくてもX-E4+Ultron 27mm F2.0で私がしたい撮影が出来ることが分かった」と伝えたかったのです。
一応言っておきますが本記事ではRICHO GRシリーズを批判するつもりはありません。
GRシリーズは、プロカメラマンやハイアマチュアの人がみなさん買いたいと思え、実践で使われている素晴らしいカメラだという事は重々承知しています。
ただ私が求めているコンパクトなデジタルカメラとは違ったと言いたかったのです。