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僕がマニュアルフォーカスレンズを好んで使う理由

マニュアルフォーカスレンズが好き

僕がが現在所有しているレンズは、すべてVoigtlander製のマニュアルフォーカスレンズ(以下 MFレンズ)だけだ。
理由はいくつかある。
今回はそのことについて書いていこうと思う。

【この記事はこんな人にオススメ】

  • MFレンズのメリット・デメリットが知りたい人
  • MFレンズ購入を迷っていて背中を押して欲しい人

MFレンズのメリット・デメリット

カメラレンズを購入する際にMFレンズを最初から対象外にする方をたまに見かけます。
理由は「カメラ任せで良いのになんでわざわざ自分でピントを合わさなきゃいけないの?」という意見をよく聞くが、その理由でMFレンズを購入対象から外すのはもったいないと思う。
MFレンズにはオートフォーカスレンズ(以下 AFレンズ)に無い良い点がたくさんありますからね。 そこでまずはMFレンズのメリットデメリットをあげてみようと思う。

MFレンズのメリット

  1. 購入時にAFレンズ+MFレンズだと選択肢が多い
  2. AFレンズと比較して価格が安い
  3. 同じ焦点距離のAFレンズと比べて軽量コンパクト
  4. 自分でピントを合わせると撮影自体が楽しい
  5. (特に)マクロ撮影時に、合焦位置をコントロールしやすい
  6. ピント加減で描写が変わるレンズは描写をコントロール出来る
  7. パンフォーカス撮影に限ればシャッターチャンスを逃しにくい
  8. サードパーティー製のレンズは個性がある描写を得られやすい

このようにコスパ,軽量コンパクト,楽しさ,コントロール性,速写性,描写の個性がAFレンズと比較して優位である場合が多い。
1つ1つ解説すると文字数が増えていくだけなので割愛するが、MFレンズは意外にもメリットが多いのだ。

MFレンズのデメリット

  1. ズームレンズが無い
  2. メーカー製の安価なキットレンズが無い(販売店のセット販売はあるが)
  3. 撮影自体を楽しむことに魅力を感じない人にはピント合わせが面倒臭い
  4. 老眼の人にはピント合わせが辛い
  5. パンフォーカス撮影以外だとAFレンズに速写性は敵わない
  6. 特に日本のカメラメーカーはAFレンズに力を入れているので、売れ筋のレンズと比較すると描写力が劣る場合がある
  7. カメラとの親和性はAFレンズと比較して低い

このようにズームレンズの選択肢がない,操作,身体のフォロー,全般的な速写性,売れ筋の描写性,親和性はAFレンズと比較して劣る。
1つだけ解説しておくと、7.カメラとの親和性とは、M型デジタル Leica以外の現代のカメラはAFレンズ装着を基本に設計されているということだ。
カメラの「設定」の項目数でも分かると思うが、AFレンズの設定項目はたくさんあるが、MFレンズの設定項目は1桁しか無い。

僕がMFレンズを使う理由

いよいよ本題、なぜ僕がMFレンズを好んで使うかを書こう。
理由は僕が使用したカメラ履歴による影響が大きく、読んでも参考にならないかもしれないが、何かしらの参考にはなると思う。

フィルムカメラ時代の懐古さを求めている

以前書いた記事のとおり、僕の第1次写真ブームの時にCONTAX S2b+Planar 50mm F1.4を1番よく使っていた。
そのためMFレンズの操作やピント合わせに慣れているのだ。
だからシャッター半押しでピントが合わせるといった操作が味気無いし「自分で写真を撮っている感が希薄」で楽しくないのだ。
現在の愛機X-S10を購入した時に、MFレンズ NOKTON 35mm F1.2を同時に注文したのだが、人気で納期がかかると分かっていたので、繋ぎとして安価なAFレンズ FUJIFILM XF23mm F2.0を購入し使ったことがある。
その時に感じたのが「撮っていて楽しくない」という感覚だった。
シャッター数だけ無駄に稼いでいるだけで全然楽しくない。
楽しくないゆえに得られた写真もつまらない写真に見えてしまったのだ。
幸いにもNOKTON 35mm F1.2が早く届いたために、早速付け替えて撮影をしたところ「撮影が凄く楽しい」のである。
楽しい理由は「自分で写真を撮っている感が強い」からだと思う。
かなり大げさな言い方をすると、書類を写す方法が、AFレンズはコピー機を使ってコピーをしている感覚、MFレンズは手書きでトレースしている感覚だと思う。
NOKTON 35mm F1.2で初めて撮影をした時に「コレコレ!この感じ」と思ったのは、フィルム時代の懐古さを求めていたのだと思う。

ピントを合わせたいところで合わせやすい

僕は焦点距離35mmのレンズや50mmマクロレンズを使い、カメラ,スィーツといった被写体を撮る、いわゆるテーブルフォトをすることが多い。
F値 開放で被写体に寄ることが多いので、被写体のどの位置にピントを合わせるかで写真の印象が変わるのだ。
例えば花を被写体にした場合、花びらの先端にピントを合わせるか?、雌しべにピントを合わせるか?ということだ。
そのピントを合わせるのに、AFレンズはまず合焦ポイントを動かす→シャッターを半押しにしてピントを合わせる→微妙に違う場合は再度半押しをしてピントを合わせるといった操作をしなければならない。
いまのカメラは高性能なのでAFが迷うということは少ないと思うが、カメラのCPUと撮影者の脳が繋がっていないので、撮影者の求めているポイントに一発でピントが決まるAFレンズは存在しないだろう。
でもMFレンズならフォーカスリングを回す操作1回だけで任意の位置にピントを合わせられるのである。
さらに言えば「意図的にピントを微妙に外して絵をコントロールする」こともMFレンズはお手の物なのだ。
僕がMFレンズを好んで使う1番の理由はコレだ。

個性的なひと癖あるレンズがある

単焦点レンズに限った話になるが、カメラメーカー純正のラインナップは、同じ焦点距離だと大枠で2種類になる。
「明るく,大きく重い,特殊なレンズを多用した高価なレンズ」と「明るさを抑え,軽量コンパクト,標準的なレンズを使ったコストパフォーマンスが高いレンズ」の2種類だ。
2種類共F値開放、もしくは1段絞ればシャープに写るレンズ高性能なレンズを製造・販売してくれる。
カメラメーカーのズームレンズ+上記2種類の単焦点レンズがあれば、全ユーザーの大半が満足するだろう。

では大手カメラメーカーのレンズが個性のある写りをするか?と言えばそうとも言えない。
例えば「絞りの加減で描写が変化するオールドレンズのような描写をするレンズ」は大手カメラメーカーからは期待出来ない。
何故なら利益最優先の大手カメラメーカーには、そのような個性ある描写のレンズの開発・発売をしても量が売れないので利益が出ないからだ。
そのため各社欠点の無い理想のレンズを追求しているので、似たような描写になるのは必然だ。
そこでコシナ(Voigtlander)や、TTArtisanといったサードパーティメーカー(以下3rdPメーカー)の存在価値が出てくる。
3ndPメーカーも当然利益を追求しているが、ニッチな商品とそれを各種マウントで揃えるという大手カメラメーカーとは違った形で商売をし利益を得ている。
純正メーカーでは作れない個性的でひと癖あるレンズを開発し安価に提供してくれるのだ。
3rdPメーカーのおかげで我々ユーザーは選択肢が増え、敷いては表現の幅を広げてくれると言っても過言では無いだろう。
そういったレンズを選択して使わないのはもったいないと思う。
だから僕は積極的に3rdPメーカーのMFレンズを使うのだ。

まとめ

僕がMFレンズを使う理由は他にもあるが、大きな理由は上記3つの理由だ。
SNSの誕生でいまは歴史上1番写真が撮られている時代で、カメラ機能を持った機器で1番身近にあるスマホが売れている時代だ。
そのためスマホの進化は目覚ましく、コンパクトカメラの市場はスマホに飲み込まれたと言っても過言は無いだろう。
そして次はAIの進化で、フォーサーズやAPS-Cのミラーレスが飲み込まれるかもしれない。
そうなれば3rdPメーカーの個性的で一癖あるレンズの描写も、スマホで簡単に撮れる時代が来るかもしれない。
でもMFレンズを操作し描写をコントロールする醍醐味はいくらAIが進化してもスマホでは実現出来ないだろう。
そう考えるとカメラの進化の先にあるのは、機械式カメラの構造を持ったデジタルカメラ+MFレンズになるのではないか?と思ってしまう。

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